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    古楽の音色〜佐保山茶論を訪ねて〜

    • 2018.11.19 Monday
    • 04:09


    以前から一度お邪魔したいと思っていた私設の小さなコンサートホール「佐保山茶論」で、大好きな古楽の演奏を聴かせて頂きました。


    佐保山茶論を主宰されている岡本昭彦さんから頂戴したご案内は、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの演奏会でした。



    奈良の一条通りの北の一帯は佐保山とよばれ、閑静な住宅街と森が広がります。

    万葉の昔、この辺りには歌人の大伴家持の邸宅があったそうです。


    地図を頼りに細い道を行くと、石段と石碑が見えました。



    石段を上ると、こちらが佐保山茶論です。素敵な佇まいですね。


    門の前には、大伴家持の歌が石碑に万葉仮名で刻まれています。 



    玄関でご挨拶をして中に入ると、すぐにコンサートホールが広がります。



    窓からは森の景色が見え、ステージに並んだチェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバ。

    一気に気分も高まります。


    ご存知の方も多いと思いますが、ヴィオラ・ダ・ガンバは、一見チェロに似ていますが、ガンバ(脚)という名の通り、両脚で挟んで演奏します。

    ですから、床に接するピンがありません。また、造りや弦もチェロとは異なります。



    ガンバ属には、高音からバスまで様々な音域や形の楽器があり、ガンバ属だけでアンサンブルすることもあります。


    中世の宮殿や貴族の館で演奏されていた楽器ですが、いぶし銀のような音色が古楽ファンにはたまりません。


    今回、演奏された福沢宏さんは、写真のガンバの他に1750年に作られた古楽器を演奏してくださいましたが、その低音の美しかったこと!



    チェンバロは、皆さんよくご存知ですよね。



    ピアノとは異なり、鍵盤を弾くと弦を引っかけて音を出す仕組みのため、繊細で柔らかな音色が特徴です。


    装飾の美しさも憧れてしまいます。


    今回の奏者の山縣万里さんによると、

    このチェンバロはイタリア式の構造とのこと。

    細身で鍵盤が一段なのが特徴だそうです。


    それにしても美しい。

    後でちょぴり触らせていただきました。

    なんて可憐な音色。


    今回の演奏会、私が伺った4時からの部では、前半がバッハ、後半がマレの演目でした。


    バッハはもちろんうっとりでしたが、

    今回の演奏会で一番心動かされたのは、最後の演目、マレの「スペインのフォリア」でした。


    もともとフォリアとは、「常軌を逸した」という意味を持つ言葉ですが、福沢宏さんの渾身の演奏に引き込まれ、ガンバを奏でる弓に私たちの心もかき鳴らされる感覚を覚えました。


    圧巻の熱演に、聴衆からは思わずブラボーの声が。

    本当に素晴らしい演奏でした。


    実は、クラーラマンドリーノの前回の演奏会でも、同じコレッリの主題を使ってヴィヴァルディが作曲した「ラフォリア」を演奏したのですが、「常軌を逸する」フォリアって、こんな風に弾くのだと改めて本当に勉強になりました。


    これは余談ですが、後で福沢さんのホームページで知ったのですが、私の好きな映画「耳を澄ませば」(ジブリのアニメ)で、バイオリン製作者を目指す天澤聖司くんという少年が、仲間と古楽のアンサンブルをする場面があるのですが、その演奏に福沢宏さんも参加なさっていたそうです。(アニメなのでもちろん吹き替え)

    この映画の一番好きな場面だったので、嬉しい驚きでした。



    今回の演奏会では、山縣万里さんのチェンバロのソロ演奏、フレスコバルディの「フォリアによるパルティータ」やバッハの「インベンション」も素晴らしかったです。

    やっぱりチェンバロは素敵。


    本当に素敵な演奏会でした。

    また、お二人が奈良に来てくださると嬉しいです。


    演奏会は、佐保山茶論を主宰されている岡本さんが司会をしてくださいました。

    古楽だけでなく芸術すべてを心から愛しておられるお気持ちが表れ、こんな素敵なホールを運営維持しておられることに、頭が下がりました。


    今度は、2階のバルコニー席でも音を聴かせていただきたいなあと思います。


    演奏会の他にも万葉集の講演会などがあり、万葉集好きな私は、今度そちらにも伺ってみたいと思った次第です。


    素敵な茶論と素晴らしい奏者に感謝した

    秋の一日でした。



























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