スポンサーサイト
- 2023.10.29 Sunday
一定期間更新がないため広告を表示しています
- -
- -
- -
しばらくブログをご無沙汰しておりましたが、
皆様お健やかにお過ごしでしょうか。
コロナウイルスの第6波が、猛威をふるっております。
日々の感染者数を見るたびに、オミクロン株の感染力の強さと
感染が本当に身近に迫っていることを実感しております。
ブログを読んで下さっている皆様の中にも
ご自身や身近な人が感染された方が、大勢おられることと存じます。
皆様のご無事を祈りながら、久々にブログを書かせていただきます。
私共クラーラ・マンドリーノも、しばらく練習を中止。
でも、この期間にしっかり個人練習をと、気持ちを引き締めております。
ウイルスの前に身を潜めて過ごす内に立春も過ぎ、
ここ奈良では、冷たい風の中にも、こころなしか日差しが少しずつ春めいて参りました。
本日は、なかなかお出掛けが叶わぬ皆様に、奈良の清々しい景色をお届けしようと思います。
私のお薦めは、ほとんど観光客が居ない東大寺の転害門(てがいもん)から大仏殿の裏を歩いて二月堂まで坂道を上るルート。
途中、鹿には何匹も会いますが、平日はほぼ人とすれ違うこともなく、のんびりと景色を楽しみながら歩けます。
転害門(てがいもん)…天平の姿がそのまま残っている貴重な建築です。東大寺の敷地の一番西にひっそりと佇みます。
大仏殿の裏の講堂跡のあたりで、のんびり草を食む鹿さんたち
途中、正倉院の横を通ります。右の屋根が名高き正倉院。中に入ると校倉造がもっと間近に見られますよ。
美しい石段と土塀を楽しみながら二月堂に向かいましょう。
余談ですが、私がまだ大学生の頃、この土塀の前で写真家 入江泰吉氏にばったり遭遇したことがありました。
入江先生の作品が大好きだった私は、驚きと感動のあまり遠巻きにうるうるしておりましたら、
気配を察した助手の方が入江先生に何か話されると、先生は穏やかに微笑んで撮影を中断し、
カメラを助手に預けてお話をして下さり、一緒に記念撮影までして下さいました。
今思えば、高名な写真家が集中して撮っておられたのに、なんと畏れ多いこと。今もその写真は私の宝物です。
入江泰吉氏亡き後、東大寺戒壇院近くにある旧居は一般に公開されています。
お人柄を偲ばせる、凛として静かに小川のせせらぎが響くお住まいです。
入江泰吉記念写真美術館(高畑町・新薬師寺や不空院の近く)をご覧になった後、旧居も訪れてみるのも素敵です。
さて、先程の坂道を登っていくと、二月堂にたどり着きます。
ちょうど今は、お水取りの行で名高い修二会(しゅにえ)の準備が始まっていて、
きりりとした冷たい空気の中で、参籠を待つ練行衆の気持ちを表すように、
籠松明を灯す青竹が空に向かってそびえていました。
夜の闇の中、階段を駆け上がる練行衆、飛び散る火の粉…
ここに佇むと、まるで今にもその音が聞こえてきそうです。
ようやく二月堂に上りました。
奈良の景色が一望です。
大仏殿の屋根に金色に輝く鴟尾(しび)も見えます。
さて、ここで一服。
二月堂の脇に、龍美堂という小さな茶店があります。
このお店のぼたもちが絶品です。甘味が極限まで抑えられているので、大きいのに平気で食べられますよ。
ここには、参籠を続ける練行衆の栄養源となるお味噌も売られているのですが、これがまた最高に美味。
お味噌の中に数種類の野菜が刻み込まれ、熱いご飯に乗せたらもう感涙です。是非お土産に。
お土産と言えば、お水取りの時期限定の椿の和菓子もいいですね。
修二会では、練行衆が和紙で作った椿をお供えするのですが、
それにちなんで、椿の和菓子がこの時期の奈良では店頭に並びます。
近鉄奈良駅〜JR奈良駅周辺のいろんな和菓子屋さんで作られていますので、お気に入りを探してみてください。
おまけの情報ですが、
私の大好きな奈良のランチは、何と言っても塔の茶屋の茶粥弁当です。
以前は興福寺の境内にあったのですが、今はならまちで営業されています。
桶の中の御馳走は季節感にあふれて、目の覚めるような美しい緑茶の茶粥はさらさらです。
ところで、奈良の観光地は、お店がとっても早く閉まることで知られています。
商売っ気のないおっとりしたところが、また奈良の魅力なんですが、
お越しの節は、営業時間や定休日などしっかりとチェックしてお出掛けくださいね。
本当に辛いことも多いこの頃ですが、
皆様がしっかりと感染対策の上、上手に息抜きをなさって、
お家時間も充実して過ごされますように。
しばしのバーチャル大和路散策にお付き合いくださいまして、有難うございました。