彼女の愛した楽器を奏でて

  • 2019.05.03 Friday
  • 01:48

 

今年は春先に暖かく、桜も早く咲くのではと言われながら

開花の頃には花冷えの気候で、結局、例年通りのお花見の時期となりました。

皆様は今年の桜を、どなたと楽しまれたでしょうか。

 

 

平成というひとつの時代が終わりを告げる春に、

感慨ひとしおで桜を見上げられた方もおられることでしょう。

 

私達にとってこの春は、桜の季節を前に、とても辛い出来事がありました。

大切な大切な仲間が一人、天上へと旅立ったのです。

 

いつも微笑みを絶やさず、ユーモアにあふれ、皆を笑顔にし、

そして、団のまとめ役として、一人ひとりの気持ちに寄り添い、励まし、導いてくれる

そんな稀有な人でした。

 

自らの病を知ってからも、周りに心配をかけないように振る舞い、

私達には、笑顔の思い出しかありません。

病棟でも、彼女の部屋はお医者様や看護師さんのサロンのようになっていたそうで、

自然と人が慕って集まるお人柄を想うと、

ああ、きっとそうだったのだろうと、誰もが頷ける話に思えました。

 

四月の演奏会をとても楽しみにしながら天に召された彼女の大切な楽器を

御家族からお借りし、先日の演奏会で弾かせていただきました。

彼女の涼やかな声を思わせる、なんとも美しい音色の楽器でした。


演奏会のアンコール曲「見上げてごらん夜の星を」のタクトを振りながら

川口先生が流される一筋の涙を見たとき、

彼女がふとステージに降り立って、みんなを抱きしめてくれているような

そんな感覚を覚えました。

 

もう二度と会えない悲しみと、

でも、この世で貴女に出会えこと、共に音楽を奏でることができたという歓びとを、

あの日からずっと私達は胸にして生きています。

 

人の命は永遠ではないこと、

だからこそ、ともに過ごす人たちとの時間を大切にすること。

奏でる音も刹那に消えてしまうけれど、

だからこそ、心をこめて奏で、ハーモニーを大切にすること。

 

そんなことを、心から思うようになりました。

 

お別れのセレモニーで、新約聖書からこんなお言葉を頂きました。

 

 「わたしは あなたがたに 平安を残します

 わたしの平安を与えます

 あなたがたは 心を騒がせてはなりません

 ひるんでは なりません」

 

真の強さに裏打ちされた貴女の優しさを忘れることなく

これからも皆でしっかりと歩んでいこうと思います。

 

私達のこの思いが、どうか天上の貴女にとどきますように。

神様のおそばで、美しい音楽を奏でながら私達を見守ってくれている

その懐かしいまなざしを想いながら。

 

May her soul rest in peace

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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